ココロノカイテイ

読むこと、綴ることがとにかく好きです

憧れるは 2024 01 17

お寺のキレイな床に、階段に、子供の頃から心奪われた

ピカピカでつるつるで、塵ひとつなかった

それが目に眩しかった

 

今から思えば、うちの母は結構ネグレクトだった

幼い私に手を差し伸べるべき事柄にも置いてきぼりだったんだな、と今更思うことがある

知ってること、やってること、してもらってること、が、少なくて

他の女の子に見下されることも多々あった

それが分からず、私は私自身が何かを持たずに生まれてきたんだな、とずっと思ってた

人より、わからない

人より、遅い

人より、おかしい

あの頃のことが透けてみえたことで、少しだけ、気持ちが楽になり、また、怒りも覚えるけれども

今だから解る

姉妹の人数の多い、すごく多い母は娘ひとりの私へ与えられる愛が、妬ましくて仕方なかったのだろうこと

 

そんなこんなな状況下、我が家は衛生的ではなかったと思う

父も然程それを気にしなかったし、最低限の衛生環境だったかもしれない

だからこそ、我が家では綺麗さなぞ特にどうでもいい床というものがキレイなお寺は、私にはカルチャーショック的なものを感じさせた

ピカピカで、光ってて、木の宝石みたいだと思った

 

あの日々見たその床が忘れられなくて、ずっと憧れていて

私が家を出て、自分の家族と新たな家を得た時に、力を入れ初めた床掃除

床と階段を、掃除機の後、雑巾で拭いてゆく

記憶のようには光らないけど、つるつるで、すべすべのそれになる

それが嬉しい

私が欲しかったものひとつ、あの頃憧れたものひとつ、手に入れたんだ

こうしてひとつずつでも、あの頃の私に与えたいし、取り戻したい心もある

ひとつずつ、見つけていきたい

生きる上で少しずつでも、浄化出来たら

死ぬとききっと、もう少し自分が好きになれているかもしれないな